隕石と私が見た世界.2

朝だ。

今日もいつも通りの朝がきた。

これから仕事をしなきゃならないと思うと憂鬱が止まらない。

このまま再び寝てしまえる勇気があったらどんなに楽かと思う朝7:30。

シャワーを浴びて強制的に目を覚まして、電子レンジで温めるタイプのご飯を食べて家を出る。

朝は美味しいものを食べたいとか、体に良いもの食べたいとか、そんな欲求が一切ないんだ。

とにかく簡単で早く済ませられるものをと考えてしまう。

これが毎日続いてしまっているのだから恐ろしい。

 

夜遅くまで動画を見ているせいか、朝は頭が働かない。

どちらかというと頭を使う仕事なのに、午前中は本当に使い物にならない。

上司にそれを悟られないように、形だけはしっかり仕事をこなすのも一つのスキルだと思う。

 

職場での人間関係は特に問題は無く平和に過ごしている。

上司も厳しい人ではないし、同僚にも恵まれていて、たまに一緒にご飯を食べに行ったりもしている。

周りから見たら仲は良いんだろうと思う。

でもその仲の良さが仕事に影響している気はしている。

仕事の出来ではなく、人間性が評価される会社。

それが過ごしやすい人もいると思うけど、私は違ったようだ。

 

「仲良しごっこかよ」

 

って、ちょっと冷めた目で見ている自分がいる。

嫉妬や疎外感を感じていただけかもしれない。

だけど私は、その感情が何なのかを確かめる前に蓋をしてしまった。

 

「なんとなく」モヤモヤするけど、自分の感情と向き合うことはしなくて、すごく嫌な想いをしているわけじゃないから「まぁいっか」と思うようにしていた。

もっと大変な仕事をさせられる会社はある。

それに比べたら私のモヤモヤなんてちっぽけだ。

パワハラモラハラなんて無いし、ちゃんとお給料ももらえてる。

じゃあ、……まぁいっか。

 

私はここにいるのに、私の意思なんてなくて、ただただ流されてるだけだって気付かずにいた。

今見えている景色が、どれだけ色あせて霞んでしまっているのかも気付かずに。