隕石と私が見た世界.1
別に特に不自由のない暮らしを送っていた。
毎日当たり前のように仕事に行って、帰ってきたら好きな動画とか映画とかアニメを観る。
ご飯は気分によって、作ったり買ったり食べなかったり。
最近は食べ物まで配達してくれるからすごく便利だよね。
疲れてどうしようもない時は出前を頼んだりもしている。
そして、お風呂に入って、布団の中でまたYouTubeとか見て、SNSチェックして、少し眠くなったらスマホのアラームをセットして眠りにつく。
起きたらまた仕事をするために会社に向かうんだ。
仕事柄、世間一般的なニュースとか、ちょっとしたトレンドとかは追っている。
若干情報に溺れ気味だけど、まぁ気分によって見る情報は選べるから問題はない。
お金に困ってるわけでもないし、何かを制限しながら生きてるわけでもないし、「普通」に生きてるってこんな感じじゃない?
そう。確か3日前も同じようなことをして、同じことを想っていた。
幸せでも不幸せでもない。
でもそれがいいんだって思ってた。
その時はまだ「幸せ」は自分が決めるものだって理解していなかったんだ。
この生活を見て「幸せ」だと思う人もいれば、「不幸せ」だと思う人もいる。
幸せって人と比べるものじゃなくて、自分の心が決めるもの。
幸せも不幸せも感じられない私の心は、同じではないはずの同じような毎日によって麻痺してしまっていたんだ。